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へなちょこBlue

currach.exblog.jp

3.11以降

ずっと津波の映像が頭から離れない。
海辺で善良な暮らしをしていたひとたちが、ささやかな日常をもぎとられた事実を
私たちは忘れずに暮らしていかなければ。
ライフサイズとスタイルを変えるべきなのだろう。
「どのくらいの便利さが、ちょうどいいんだろう」というコピーが昔あった。
都会人の暮らし方の傲慢さを省みる時期なのかもしれない。
東京でなくていいのだろう、もはや、すべて。
3.11以降、さまざまな失望と希望を繰り返し感じている。
こんなときだからこそ、いろんな人やモノの本質が見える。
信じていたものを失ったりもした。
そのかわり、本当に好きなものだけを見たり聴いたりするようにした。
覚悟はできている。勇気がほしいだけ。
このブログは今日でおしまいにします。家族を失い、なにかを見つけたくて始めたけれど
次のステップに行かなければ。

それにしても今日の斉藤和義はすごかった。Ustで3万。
ファンではなかったけれど、恐れずに立つということは、こういうことかと思えた。
かっこつけずに真直ぐに生きていくことは意外と難しい。
かっこつけたとたんに崩れていく。浅さが見えてしまう。
もううんざりだ。
# by currach_k | 2011-04-08 22:45

メメントモリ

なぜか雪の弘前にいた。
山口洋と細海魚の音楽を聴くためだ。
地震が起こり、列車が止まり、行くことをあきらめ、旅費とチケット代は主催者にドネーションとして送るつもりだった。
いくつかの取材も、4月頭に予定していたニューヨーク行きも延期にした。しばらく東京を離れられない。そう思っていた。
なのに、衝動的に青森行きの飛行機チケットを買い、空港からバスに乗って弘前へと向かう自分がいた。とりつかれたように。
心は晴れる暇もない。
情報が錯綜する東京で、重い気持ちと時々あふれて止まらなくなる涙と、何もできない罪悪感と、普通の生活をしなければというあがきのなかで、疲れ果てていた。被災していない人間が…情けない。

弘前学院大学礼拝堂。ステンドグラスから青い光がこぼれる。
山口洋は今まで見たことのない不思議なオーラを放っていた。
震災時はアメリカにいて、2日前に帰国したばかり、
予定していたライブを急遽チャリティーに変更したという。
ライブの間、彼は「震災」という言葉も「募金」という言葉も
「がんばろう」という言葉も発さなかった。
淡々と、時に力強く熱を帯び、1台しか持ってこられなかったというアコースティックギターを鳴らしながら唄う。いつものステージのように。
受けないジョークを口にするのもいつも通り。
けれども、奏でられる音は祈りに満ちていた。苦しいほどの。
かきむしられ、なだめられ、震え、うずまく。
風のように、波のように。
このようなギターの音を私は聴いたことがない。
「メメントモリ」という言葉を思い出す。
死者を憶う…という言葉。
藤原新也の本で知った言葉。忘れていた言葉。
北の礼拝堂が音楽で満ちた夜、私はそこにいることができてよかったと心から思った。
ポジティブでなくて申し訳ないけど、勇気をもらったとか、音楽のちからを感じた、とかそういう言葉とは少し違う。
海に呑まれてしまったひとたちと自分との区別がつかないままで、私は弘前にいた。それでいいのだと思えた、ある種の安堵。
私は音楽を欲していたのだとはじめて気づいた。
ライブはUst中継も行われたらしい。多くの人が「満月の夕」に思いを寄せたことだろう。募金もたくさん集まったようだ。
雪が舞うように音は降り注ぐ。
弘前で見た音の風景を私は一生忘れないと思う。
メメントモリ_c0216867_142544.jpg

# by currach_k | 2011-03-28 18:30 | 音楽

今年も終わり…

なんだか、あっという間に過ぎたこの1年。
いろいろやろうと思っていたことも、来年に持ち越しだ。
来年のこと…
○きちんと仕事のサイトを作る →やりたいテーマを明確にする、継続的なテーマを決める
○電子書籍の企画を立てる →新しいメディアの可能性を考える
○息子とニューヨークに行く 
○仕事でもプライベートでもアイルランドへ行く
○リュートをもっと練習して上手くなって、シチリアーナくらい弾けるようにする
○身体をきたえる

今年1年、健康で仕事もたくさんできて、感謝しています。
来年も地道にがんばろう。

年末はライブに行けなかったけど、来年もいい音楽をたくさん聴きたい。
年末年始はこの曲で祈ろう。願いはかなうよ。
Happy new year!
# by currach_k | 2010-12-31 15:15

仕事休みます

思い立って、今週末休みを取ることにした。
そういえば今年は夏休みはおろか、土日もまともに休んでいない。
毎夏地元目黒の仲間と行く秋田キャンプにも行けていなかったのだ…。

時間は限られているから海外は無理。京都や金沢も考えたけど、
いまの私は計画を立ててアクティブに動けそうもない。
エイっと買ったのが、早朝に出る石垣島直行便。世の中で2番目に好きな飛行機(いちばんはもちろんエアリンガス!)。
西表島に行こうと決めた。ホテルだけ決めて、もうノープラン。
とにかくアタマを一度空っぽにしてこよう。PCも持って行かないよ。多分…。

「好きな場所は?」と友人に聞かれて、
アイルランド、ニューメキシコ、日本では八重山、珠洲、四万十、三崎が好きだと言ったら、
辺境好きだねと笑われた。失礼だろ!と思うけど
確かに端っこが好きだよな〜、私。

旅に持っていきたくて、宮内勝典さんの長編単行本がそろそろかもと思い、ブログ「海亀通信」を久々に訪ねてみたら
HEATWAVEの山口さんのことが書かれていてちょっとびっくりした。
「ロックというにはあまりにも繊細なふるえ…」
さすが宮内さんの言葉は的確。そうなのだ。音楽も文学もそのふるえこそが聴く人(読む人)の心をとらえて離さない。
この2人の共通項は「荒野」だったのか。
表現の向こうに広がる風景を私は旅していたのだと思った。
「マイナー」ということばでかたづけないでほしい。
単行本は月末だったけど、このブログを読めてよかった。

旅に出るとき、小さいときめきと、犬たちを留守番させる切ない気持ちが入り交じる。
ごめんよ。今回はすぐ帰ってくるからね。
# by currach_k | 2010-11-16 18:25

音楽のチカラ

この1ヶ月の間に行ったライブで、かつて体験したことのないほどのエネルギーをもらった。
生まれ変わったような気分です。他力本願ですが、いやホントに。
決まりました!今年のライブベスト3(まだいくつか見る予定のライブはあるけど)、
同率1位で、9/24 HEATWAVE@渋谷duo Music Exchange、10/9 デートコース・ロイヤルペンタゴンガーデン@日比谷野音、10/11 スタッフ・ベンダ・ビリリ@日比谷野音。
音楽ジャンルは違うけど、共通しているのは「予測できない即興的な音楽のパワー」。音楽が身体に満ちあふれる、または身体を突き抜ける、そんなことを実感させてもらったライブ。
特に、スタッフ・ベンダ・ビリリの音楽は恐るべきエネルギーのかたまり。あれはなんだ?
私の前で4歳くらいの子どもがリズムに合わせ跳びはね、横では70代くらいのおじいさんが満面の笑みで踊ってる。いまどきのおしゃれな若者たちもね、もう若くはない中年の私たちももちろん。
ベンダビリリのメンバーが車椅子で登場した瞬間、胸が熱くなったけど、
ハンディキャップあるなし、そんなことはまったく関係なくなった。
圧倒的な音楽とメッセージが存在していた。おまえの心は自由か? 心が自由であればいいのだ、と。

DCRPGは、まさかの大雨だったけど、とめどなく溢れる音と雨が共鳴して、心まで洗い流されるように感じだ。雨合羽を着て踊るオーディエンス。菊地成孔は天才だと改めて思う。
HEATWAVE は、見るたびに進化するロック。山口洋のエレクトリックギターはとにかくすごい。バンドになると数倍すごい。4人のセッションが生むグルーヴに毎回ぞわっと鳥肌がたつ。
菊地成孔も山口洋も1963年生まれなんだよね。進化する中年ってスゴイわ!そういえば、山口さんベンダビリリに来てたなあ。

やっぱりライブが好き。
決して情報化されない即興的アプローチ、
この時代に必要なのはまちがいなくそれだ。
机にしがみついてちゃダメ!と自分に言い聞かせる。
# by currach_k | 2010-10-16 15:01 | 音楽